2012年6月3日日曜日

「ムネオハウス」を擁護する〜エポニム



 フルブライト留学制度というのがある。戦後、日本の優秀な人々はこの制度を使ってアメリカの技術や思想を学んできたものだ。間違う人がいるのだが、フルブライト上院議員がお金を出した制度ではない。法案を出したのである。1946年に、フルブライト上院議員が「全世界を平和へ導く最も効果的な方法は人物交流である」と考え、広島への原爆投下からわずか2週間足らずのうちに交流計画事業の法案を議会に提出したものである。以後今日に至るまで、このフルブライト交流計画により日米相互の人物交流が支援され、フルブライター(Fulbrighter)と呼ばれる日本人約6500名、米国人約2000名が各界で活躍しているという。

 欧米では色々なものに個人名をつけるのが当たり前になっている。普通名詞になった人名� �は「サンドウィッチ」がもっとも有名だ。温度の「華氏」や「摂氏」がFahrenheitさんやCelsiusさんから来ているのもやや有名だ(「華」は中国語でファというためである)。

 言語学で地名などの人名語源は名祖(なおや"eponym")ということがある。例えば、「アメリカ」はイタリアの商人・探検家アメリゴ・ベスプッチ(Amerigo Vespucci 1454-1512)の名前に由来する("Amerigo"のラテン語名が"America")。コロンブスが発見した大陸はアジアの一部であるとコロンブスが信じていたときに、アメリゴがその大陸がアジアではないと主張したためにコロンビアにならずにアメリカになってしまった。観覧車のことを英語でFerris wheelというが、これは考案した人の名前ジョージ=ワシントン=ゲイル・フェリス・ジュニアという橋梁技師の名前から取られている。船の「満載喫水線」をPlimsoll lineというが、これは海運の規制強化に努力して義務付けたプリムソルという人の名前から取られている。

 日本語でも、【柄井】川柳、【宮崎】友禅、阿弥陀くじがそうだし、八百長(八百屋の長兵衛で店の上客である伊勢海という相撲の年寄と碁を打つ時に手加減した)、【成瀬川】土左衛門(力士)、出歯亀(出っ歯の池田亀太郎)、金時豆(坂田金時=金太郎)、金平ごぼう(金平=金太郎の息子)、のろま(野呂松勘兵衛=人形遣い)など人名から生まれている。あまり知られていないと思うが、八ツ橋は「六段の調(しらべ)」などを作曲した八橋検校の門下生が琴の形をした焼き菓子を作って、聖護院の参道で売り出したのだが、師匠の名前に由来している。新しい?ところでは「江川る」なんていうのがある。中国でも「包丁」が人の名前だったとされる(異説あり)。新しいところでは図書館や本屋に行くとトイレに行きた� ��なる「青木まりこ現象」というのがある。『本の雑誌』に最初に投稿した人の名前から採られている。

 面白いのは九官鳥で、「九官」という中国人が日本にこの鳥を長崎にこの鳥を持ち込んだ。その際、人間の言葉を真似することを伝えるために「この鳥は吾の名前を言う」と言ったのだが、「吾」を持ち込んだ人ではなく、鳥のことと間違って訳されたため「九官鳥」の名がついたという説が、『本朝食鑑』や『飼籠鳥』に見られ、通説となっている。

 出歯亀の話は誰でも知っているように英語では"Peeping Tom"という。ゴダイヴァ夫人の裸体をこっそり見たためである。

 料理の名前にも人名がつけられることが多い。日本では沢庵【和尚】、隠元【禅師】がある(沢庵は語源説が多い)。麻婆豆腐は顔に麻(あばた)のあるお婆ちゃんに由来しているとされる。マドレーヌ【メイドの名前】、ビーフストロガノフ【ロシア伯爵家の名前】、ドリア【イタリアの貴族・ドリア一族のためにパリのレストランが創作した料理】、マルゲリータ【ピッツァでイタリアの王妃から】、シャリアピン・ステーキ【オペラ歌手】などが思い出される。変わったところではドンペリというのは圧力のかかるシャンパンを詰める技術を発明した修道僧ドン・ペリニヨンから来ている。日本人が勝手につけたのはバイキング料理【北欧のスモーガスボードからの連想でカーク・ダグラスの映画から】、ジンギスカン料理【も� ��外国人が信長焼きとか作ったらどんな気持ちだろう】などがある。折り箱に稲荷ずしと巻きずしを詰めたものを「助六ずし」というが、歌舞伎の『助六』に登場する遊女「揚巻」にちなんだ名と伝えられる。「揚げ」(油揚げ)と「巻き」(のり巻き)である。

 勝手に名前を変えられることもある。モンキーレンチというのはCharles Monckyが発明した工具だが、いつの間にかmonkey wrenchになってしまった。しかも英語で"throw a moneky wrench/イギリス英語spanner in the works"というと「問題を起こして計画を邪魔する」という意味である。失礼な話である。

 裁縫に使う「待ち針」は「小町針」ともいうことがあるが、言い寄ってくる多くの男に小野小町がなびくことがなかったため、穴のない女と噂されたという伝説に基づき、穴のない針のことを「小町針」と呼んだことから来ているという。失礼な話である。

 火炎瓶をMolotov cocktailというが、1940年にソ連がフィンランドに侵攻した際のソ連の外相がモロトフで、こいつを追い出そうというのでつけられた名前だ。

 英語の人名を元にしたイディオムを紹介する。"Uncle Tom"(白人にへつらう黒人)、"every Tom, Dick and Harry"(猫も杓子も)、"Before you can say Jack Robinson"(あっと言う間に)、"Joe Bloggs"(名無しの権兵衛)、"John Doe"(身元不明の死体や不特定の男子/女子はJane Doe)、"Joe Public"(一般大衆)、"Mickey Mouse"(くだらない)、"mackintosh"(レインコートだが、本名はMacintosh)、"the real McCoy"(本物)、"gerrymander"(選挙区を有利なものに変える)、"maverick"(独立独歩の人)、"keep up with the Joneses"(見栄を張る)、"Bob's you uncle"(大丈夫)などで、やっぱり多い。

 毎日新聞「余録」(2008年4月25日)に次のような話が載ったことがある。博学というのはこんなことだろうと思う。

 余録:(2008年4月25日

 大きな金づちを「げんのう」と呼ぶのは、近づく生き物を殺してしまう殺生石を打ち砕いた玄翁和尚(げんのうおしょう)にちなんだものという。鳥羽上皇が寵愛(ちょうあい)した玉藻前(たまものまえ)−−実は九尾の狐(きつね)が妄執を残して石となったという栃木県那須町の殺生石にまつわる伝承だ▲能の「殺生石」では玄翁和尚はげんのうを振るうわけではない。里の女の姿をした石の霊と語り合い、言う。「あまりの悪念は、かえって善心となるべし。ならば衣鉢(いはつ)(仏道)を授くべし」。その玄翁が石に花を手向け、焼香して供養をすれば、それより殺生はなくなったという▲殺生石が近づく鳥獣を倒したのは主に周囲で発生する火山性ガスの硫化水素によるものといわれる。【…】

 他に有名なものをあげれば次の通りである。

 

2012年6月2日土曜日

中岡望の目からウロコのアメリカ » 米中間選挙分析(4):アメリカのメディアが見た選挙結果


中間選挙が終わり、結果は様々な世論調査の予測通りになりました。まだ全議席は確定していませんが、以下で今回の中間選挙に関するアメリカ・メディアの報道に関して報告します。

 ①   選挙結果:

本稿執筆時点(5日午前)の段階での確定した議席数は以下の通りである。上院は民主党が改選議席19に対して6議席減らし、非改選と併せて52議席。共和党は6議席増やして46議席で、まだ決まっていない議席は2議席である。それはワシントン州とアラスカ州である。ワシントン州の選挙区の現時点での開票率71%で、民主党のMurray候補51%、共和党のRossi候補49%と、民主党候補がリードしている。アラスカ州は開票は終わっており、民主党のMcAdams候補が24%、共和党のMiller候補は34%、さらにwrite-in(正式な立候補者以外の候補者)が41%獲得している。下院の結果は、現時点で民主党が186議席、共和党が239議席、まだ確定していない選挙区が10選挙区残っている。現段階で民主党は60議席減ら� �ているが、その数は増える可能性もある(なおRealClearPoliticsでは民主党186議席、共和党240議席、決まっていない選挙区9選挙区となっている)。下院の結果は、共和党が1938年以来の大勝となった。

 ②   出口調査の結果

ウォール・ストリート・ジャーナル紙(Democratic Coalition Crumbles, Exit Polls Say)によれば、民主党は伝統的な支持基盤である女性、中産階級、白人労働者、高齢者、無党派でいずれも共和党に負けたと報じている。前回の中間選挙(2006年)では、民主党が女性票で共和党を12ポイント上回ったが、今回の選挙ではほぼ互角になっている。特に白人女性票は、前回の中間選挙では互角だったが、今回の選挙では大半の白人女性が共和党に投票している。高齢者も前回の中間選挙ではほぼ互角だったが、今回は共和党に投じた高齢者が多かった。特に65歳以上の高齢層は共和党のオバマ政権の医療保険制度改革批判の影響を受けて、投票率が高まっており、そのかなりの部分が共和党候補に票を投じている。表題通り、民主党連合は完全に崩壊してしまったと分析している。

2012年5月31日木曜日

入浴する場面が児童ポルノとされた事例 - ガジェット通信


「児童ポルノ」というテーマは、女子的にスルーしてきた話題なのですが、ここまできっちり説明していただけると、「ほー、そうなんですか」と、納得。「こんな専門家の方がいらっしゃったのか!」と、驚き。
今回は奥村徹さんのブログ『奥村徹弁護士の見解』からご寄稿いただきました。

入浴する場面が児童ポルノとされた事例

児童ポルノ該当性というのは客体の要件ですから、医学・学術・芸術などの撮影目的によって児童ポルノ該当性は左右されないです。性欲刺激興奮の要件も一般人基準、つまり、見た人基準。えづらで決める。

盗撮の場合、撮影されていることを知らないから、特段に性器等を誇張することなく、普通に入浴している場面だと思うんですよ。

 ・山形地裁 衣類の全部を付けずに入浴する児童の姿態
 ・横浜地裁 「露天風呂」付近において露天風呂に入浴中の女子児童の姿態(実刑)

これは、3号ポルノ。

——————–
法2条
3
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。

2012年5月18日金曜日

環境ブログ村 - 日本を襲う円・株・債券安を知り民意無視の福田辞職


 2007年9月、アメリカ国土安全保障長官チャートフと海外におけるアメリカ合衆国の権益を評価して政策および将来の活動について勧告し、既定の政策の実施に必要な措置を取る国務省長官パウエルから「イラク戦費400兆円よこせ」と言われ頭がパーになり安倍晋三が総理を電撃辞任。

 そして今度は「民主党との折り合いがつかなく、前に進まないから辞めます」と福田康夫が総理を電撃辞任。

 2008年9月1日、世界中のメディア、金融機関、そして個人投資家に情報を提供する世界最大の情報通信社ロイターは福田総理辞任前に「福田総理辞任!次の総理が自民党の麻生になろうが任期は短い」と発表。

2012年5月17日木曜日

ミャンマー2008年憲法をどう診るか/水島朝穂の「今週の直言」より  - 薔薇、または陽だまりの猫


◇◆◇  ミャンマー2008年憲法をどう診るか  ◇◆◇

 水島朝穂

 一国の議会の補欠選挙がこれほどまでに注目されたことがかつてあっただろうか。
 先週の4月1日はミャンマー議会の補欠選挙の投票日だった。2010年総選挙後
に議員辞職するなどした45議席分(地方議会2を含む)が空席になっていた。

連邦議会は国民院(定数440)と民族院(同224)からなり、補選の対象となっ
たのは43議席、全体の7%にすぎない。投票結果は、アウン・サン・スー・チー氏
率いる国民民主連盟(NLD)が43議席を獲得。与党・連邦団結発展党(USDP)
は1議席しか取れなかった。残り1議席は少数民族政党のほぼ指定席である。NLD
の文字通りの圧勝だった。

 だが、これは小さな一歩である。この国は、1962年の軍事クーデター以来、長
らく軍事政権の独裁が続いてきた。1989年6月18日、軍事政権は国名を「ビル
マ」から「ミャンマー」に変更した(本「直言」でも当面「ミャンマー」を使うこと
にする)。

国民の権利は系統的に侵害され、政治活動は厳しく制限された。民主化運動の指導者
スー・チー氏は約15年間、自宅軟禁を強いられた。国際社会はこの国に対して、経
済制裁などさまざまな制裁措置を実施してきた。この間、内外の民主化要求に対し
て、軍事政権は一定の譲歩を行った。2011年に「民政移管」が行われた。政治犯
が釈放され、スー・チー氏の軟禁も解除された。この1年あまり、経済面での「改
革」が急速に進み、日本を含む各国は、ミャンマーの資源と市場への関心を異様に
高めている。

軍事政権は「民主化」と引き換えに制裁を解除させ、経済援助を受けやすくして、経
済発展をはかるという目論見のようである。今回の補欠選挙は、制裁解除や援助を引
き出す象徴的意味合いをもっていた。だが、結果は軍事政権の完敗。1年前とは雰囲
気はまったく変わった。いま総選挙をやれば、「政権交代」が起きるかもしれないと
いう勢いである。

だが、その見方は楽観的に過ぎるだろう。今回の選挙はあくまでも補欠選挙である。
総選挙までの期間、軍事政権の巻き返しの可能性もあり得る。その際、ネックになっ
ているのが、2008年憲法である。

 『朝日新聞』2012年4月3日付社説「民主化さらに加速を」は、補欠選挙の結
果について、「民主化の歯車がひとつ回ったと評価できる」としながらも、その限界
について次のように書く。「民主化を阻む最大の壁は、軍政が制定した憲法だ。議員
の4分の1を軍人と定め、改正を阻止できる仕組みにしてある。

こんな軍の絶対的優位を保障した憲法を改めて初めて、国際社会から民主国家と認め
られる」と。そこで今回は、ミャンマー2008年憲法について診ておくことにしよ
う。

 2009年6月、大教室の「憲法」の講義を終えたとき、1人の男子学生が演壇の
ところにやってきた。それがKYI CHAN NYEIN(チーチャンニェイン)
君だった。当時法学部2年生。ミャンマーのタゥンジー大学法学部を卒業し、上級弁
護士資格をもつ。しかし、ミャンマーの法学部の法律専門科目には憲法と国際法がな
い(!)。だから、早大法学部の憲法の講義を特別の関心をもって受講しているのだ
という。

彼は1年前の2008年に制定されたミャンマー憲法をビルマ語原文で持参してい
た。私は制定されたばかりのこの憲法について、レポートにまとめるように促した。
彼はすぐに原稿の形にまとめてきた(2009年6月20日付レポート)。読みおわ
ると、私はこれを多くの人に知ってもらおうと考えた。そのことを『法学セミナー』
の上村真勝編集長に話すと、掲載を快諾してくれた。早速、原稿を論文化する作業に
入った。

 水島研究室の院生とともに、大学院の私の授業を1コマ使って、原稿を細かく検討
した(2009年11月13日)。院生たちは微妙な表現の違いや「てにをは」にも
こだわって推敲してくれた。そうしてこの論文は『法学セミナー』2010年2月号
に掲載された(→下記から読めます)。

              『法学セミナー』2010年2月号 掲載紙PDF
               

 当時、軍事政権は自国内で市民や学生を逮捕・投獄するだけでなく、海外の留学生
に対しても大使館などを通じて監視を強めていた。そうした状況のなか、軍政批判の
論文を公表することは、チー君に危険が及ぶおそれがあった。そこで、同君が執筆し
たことについて、院生にも決して口外しないように伝えた。

『法セミ』掲載にあたっては編集部に配慮をお願いし、「法曹資格所有者ビルマ人」
という形で匿名にした。そうする背景を説明する「掲載にあたって」(編集部)とい
う一文も冒頭につけた。

2012年5月15日火曜日

危機に立つ日本


全くもって、無責任で勉強不足な日本のマスコミ。
結果、沖縄が中国に占領されたら、どう責任を取るのでしょうか?
それをも肯定するのでしょうか?
今の決断できない政治もマスコミが招いたものです。
民意を盾に、国を誤った方向に導くなら、マスコミとしての存在意義は
ありません!

[HRPニュースファイル271]迫りくる!中国の侵略から沖縄を守れ!

5月15日は、沖縄がアメリカの占領下から日本に復帰した「沖縄復帰40周年」です。折しも、普天間基地の移転問題や米軍再編で世間の注目が集まる中、新聞各紙はこぞって沖縄特集を組んでいます。

つきましては、日本の「オピニオンリーダー」とされる朝日新聞の特集記事を題材に、日本の左翼マスコミの「沖縄論の問題点」を指摘したいと思います。

朝日新聞は今月10日から3回にわたって「日米琉40周年」と題する特集記事を掲載し、沖縄を「琉球王国だった島」と表現。沖縄が日本から「基地負担」を押し付けられてきたという「差別の歴史」を強調しています。

その解決策としての「米軍基地の撤廃」、そして将来の沖縄の「独立」 を一つの理想として描いています。⇒

2012年5月14日月曜日

考察 - Steins;Gate/シュタインズ・ゲート 攻略・考察Wiki


適当に転載してます。マズいようだったら消して下さい
加筆修正も募集

以下の考察については、
記述者個人の推察を含むため必ずしも"正解"とは限りません
間違いや未掲載があっても怒ったり無闇に消したりせず
反論や補足を充実させ、利用者みんなで作り上げていきましょう

結局、脅迫メールって誰が送ったの? †

FBの指示で萌郁が送った。送信理由は警告のため(公式資料集より)