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これで良いのか?予算審査 その2
〜横断的な点検の枠組みが必要〜
もっと重要な問題とは、予算審査が依然として事業計画と切れたまま、予算書の数字を逐条的にチェックする審査に終始していることです。昨年所沢市議会は5次総の審査に当たって、四常任委員会を分科会とする議会総掛かりの体制でこれに対処しました。そしてこの総合計画並びに基本計画を多角的に審査し、議会による幾つもの付帯決議を伴った形で修正可決されました。この計画の内容は、前期4年間に総合的に取り組む4つの重点課題がその中心を構成していたのですが、これらの4つの重点課題はいずれも多くの部門にまたがる総合的な施策です。しかしこれを実行するための予算は、従来のように各部の縦割りの中でしか審査されていないのです。5次総のあの体験は一過性のものに過ぎなかったのでしょうか。
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そもそも市役所がこの1年間に支出する1500億(三会計・単純合算)のお金が何のためにあるかといえば、それは行政として市民サービスを実施し、現在及び将来にわたる市民生活を維持向上させるために充てられるものです。そのためのお金の使い方を示すものが予算に他ならないのですから、市役所が今年行う諸々の事業と年度予算は表裏一体をなすものです。それ故に総合的包括的な事業計画の遂行に必要な予算もまた総合的包括的な点検が必要です。
しかし残念ながら所沢市議会の予算審査は、そのような視点が今年もまたすっぽりと抜け落ちたままであり、前稿で記したように、役所の縦割りの枠内での妥当性の吟味に終始しているのです。高齢化が進むこれからの財政事情からすれば、政策・施策の実行に当たっては"選択と集中"が必要だと誰もが言います。そのことは同時に施策の実行を担保する予算の使途についても"選択と集中"が必要不可欠な筈です。
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日本で始めて自治基本条例を作った北海道ニセコ町の市民向け年度予算説明書の表題は、『もっと知りたいことしの仕事。お伝えします、ことしのお金の使い方』です。ここには、予算というお金の使い方と事業計画が見事に一体化されて、市民に示されています。勿論所沢とニセコの予算規模は2桁違いますから、所沢がニセコと全く同じやり方を行うことは不可能でしようが、だからといって、この課題に目をつむったままではいけないと思います。ニセコの"志"を学ぶべきではないでしょうか。
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議会としては、事業計画と予算をリンクさせたマネジメント・ソフトの構築を行政に対して督励するとともに、議会の審査のあり方についても、自主的にその仕組み・枠組みを変革することは必要不可欠ではないでしょうか。所沢市の自治基本条例の22条(総合計画)の4項と23条(行財政運営)の2項に明記されている市民に対する「報告会」は、実はこの事業計画と予算の執行について、そしてその結果としての決算審査について、一体化した報告を行うべしという思いを込めたのですが、そのためにも、先ず予算審査がそのような形で行われなければならないのですが、今年の状況を見る限りそれは全くそうなっていません。
つまり、役所の枠組みの中での単なる会計的な審査ではなく、そのお金を使って行う"事業"が、その対価に見合う内容なのかということが、同時に審査されなければならないと思います。そしてそうするために必要なことは、先ず審査に必要なデータとして現在の議案資料の「事業概要調書」を主要政策別に編集したものの提供を、行政に求めるべきです。それと同時に、予算審査に充てる日程も、現在のように議案説明1日、議案調査日2日、常任委員会審査1日という従来パターンの繰り返しを改め、先進的な市町村議会が行っているように、議会としても正式な"予算委員会"を設け、ここで4日〜5日程度、多面的な審査を行うことが必要でしよう。(全議員がこれに参加するというパターンが多いようです)
その一方で、効率的に審査を消化するために、年度予算の審査に当たっての本会議での議案質疑は、現在の議員各人が個別に行うのではなく、会派別の代表質問という方式も検討されるべきだと思います。そうすれば、各会派の立ち位置も見えて
市民にとっては好都合なのですが、いかがでしょうか。
1999年までのように自治体の業務の過半が機関委任事務で、これへの議会の関与が遮断されていた時代ならともかく、いまや自治体も自主自立の時代です。都市間競争も熾烈さを増しています。一方、これからの時代に相応しい事例が先進自治体には既に数多く見られます。橋下大阪市長のように"仕組み"を替えれば全てが解決するとは毛頭思いませんが、肝心の市民・国民の税金が政策・施策に有効に活きるような新しい審査の仕組みは、ぜひ形にしてほしいものです。
記 本間
追記
長くなり過ぎるので昨日の前稿では割愛しましたが、"委託料"についても"補助金"と同様な問題があります。市全体ではどの程度の業務が民間に委託され、それに掛かる委託料が合計でいくらなのか、それによって結果として市の職員の仕事の内容がどのように変化し高質化するのか、この次元での実質的な"事業審査"をしっかりしておかないと、市の活動の締めくくりである"決算審査"もまた予算審査と同じ次元でしか為し得ないのではないでしょうか。それで良いとは思えないのですが、議員の皆さん方、いかがでしょうか。
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